画 像 詩 集

No1  No2  No3  No4  No5  No6  No7 No8

NO9  No10  No11  No12  No13 No14  No15  No16 No17

No18 No19 No20 No21 No22 No23

No24



エノコロクサの揺らぎ
冬の風、吹く頃

赤いマフラ−に、赤い手袋

母と歩いた駅までの道

手を引いてくれる母は
大きく見えました

私と変わらない背なのに
幼い頃は、母が大きく思えました

季節は繰り返されて

母は、母は
ずいぶん小さくなりました・・・

エノコロクサの揺らぎ
冬の風、吹く頃

若い母の面影
エノコロクサに宿ります

2004.12.2





時は知らぬ間に流れて

木の葉は、最後の葉を散らす

繰り返された日々
ふるさとを懐かしく思う

父の声が聞こえる
母の声が聞こえる

ぬくもりの中の幼き日

戻り来ぬ日々は
心の隅に焼きついて
木の葉に舞う

嫁ぐ日の父の顔を思い浮かべてみる
瞳を閉じて・・・

2004.12.1







あなたに逢いたい夕日が沈む

今日の日のひととき

この沈む一瞬

愛しさと
切なさ

遠き日に見た
柔らかく優しい輝き

思い出色は
ほのかな暖かさ

心灯してくれる揺らめき

2004.11.27






みかんの実る頃

母に甘えてねだった、あのみかん

潮風に吹かれて食べた思い出

小さな私に、小さなエプロンドレス

母の手縫いのポケットにみかんがひとつ

跳ねて喜ぶ私に

夕日が赤く沈んで行く

遠き日の夕日は

今もなお心に焼き付いて

幼き私が見えてくる









紅きもみじが揺れたら見えてくる

いろんなこと
これまでのこと

風のささやきと
木の葉のおしゃべりが聞える

いつだって伝えたい言葉がありました

いろんな想い
いろんなこと

これからだって伝えたい、いつまでも

目を閉じれば
時は果てしなく流れて
モノクロ画像が蘇る

現われる私は、貴方は
若き日のふたり
あの頃のことを伝えたい

そして
想い出画像にリボンをつけて
また仕舞い込む


2004.11.23





いつしか季節は流れて
木の葉は、ほんのりと紅くなる

繰り返された日々
数々の思い出

人はどんなに深い哀しみも

ひとつの季節、季節が癒していく

時の流れは
触れることも、感じることも出来ない

それでも心、柔らかくなっていく

喜びと、哀しみ、

木の葉に、ゆらゆら揺れて
お日様は輝く

流れゆくひとときが

時には喜びの涙へと変わることを知りました

2004.11.22






冬の雨
優しく軒を伝いながら流れゆく

逢いたさの一粒
恋しさの一粒
切なさの一粒

若き日を思う一粒

寒さに震える日も
心だけは温かだった
あの日

貴方がいて
私がいて

あの頃も
雨だれの一番綺麗なものを

たった一粒だけでいい
貴方に、あげたいと思いました

たった一粒だけ
貴方の心が、欲しいと思いました

2004.11.19