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もう帰ろうね

夕焼けを眺めて父が言った

ううん、もっと

応える私に父の笑顔が広がった

よしよし、そう言っているような笑顔

いつまでも父とお風呂に入り
いつまでも一緒に寝ていた私

同じ夕日を眺めれば
ふいに
涙、溢れて

父に可愛がってもらったことだけが
心に広がる

夕焼けの色が心いっぱいに
染まりながら

2004.8.20







母さんが育てた茄子なのに

幼い頃は嫌いでした

いつも食べずに残していましたね

今は大好きです

揚げても、炊いても美味しいですね

母さんのように
優しい花です

あの素晴らしい色の茄子になるなんて

可愛いですね

そっと咲く花ですね


2004.8.13





僕の声が聞こえるかい
一緒に唄おうよう
一緒に暮らそうよ

春は野に木の実が出るよ
一緒に飛ぼうよ

自然は厳しいけれど
僕は君を守るよ

可愛い小雀が生まれるよね

小さきものよ
そのままでいて
姿やさしき限りある命よ

愛しさを抱きしめたい

2004.8.4





風が流れたら
雲が流れたら

また小さき命が逝ってしまう

自然のままに生きて
懸命に生きて
小さき命終えていく

惜しみなく過ぎた日々
ただひたすらに自分の生をまっとうして....

命あるもの儚さと潔さ

躯になりし姿はまた他の命へ受け継がれていく

今日もまた優しく風は流れる....


2004.8.2





一休み

誰だって生きていくことに疲れたら

一休み

いろんなことがあって
いろんなことに流されてここまできた

時を止めることは出来ないけれど

心の一休みをすることは出来る

遥かな日にこのトンボを眺めたように
瞳輝いていたあの頃を思い出すように

自分だけの心の一休み


2004.7.22





密かな光、浴びている

あの光に輝いて
ひとつの言葉探したい

生きるって何だろう
今、ここにいる自分

これからの私

雑草たちから貰える言葉

ただひたむきに
自然にそのままに

今を生きる


2004.7.14





涙いっぱいの君を見つけたよ

それは始まりの季節
君との新しき季節

君の涙、僕にくれないか

悲しみは半分に
喜びは倍に

僕は言えなくて
ただ君を見つめたよ
遠い空から

涙いっぱいの君を見つけたよ

いつの頃か見た映画の物語
こんなことを思い出す

夏の光、まぶしい日です
エノコロ草が優しく揺れる夏の日です

2004.7.4





ねぎらいの、優しく包む言葉はなくても
花にこめた思いはひとつ

「これまで、ありがとう」
「これからも、ありがとう」


五つの言葉です

生きていくことで
           
嬉しい言葉
楽しい言葉
感謝の言葉
何度も、何度もききたい言葉
言いたい言葉

「ありがとう」

                                                                                                          
 


2004.6.29






若葉色がふたりを包み込む

森の静けさの中で

吐息だけが聞こえくる

鳥たちはそっと見守っている

さわやかな皐月の空に
雲はたなびいて

佇む木々たちは
静寂と懐かしい香りを運び来る

一枚の葉から芽生えて
時は静かに

通り過ぎて行く


2004.6.28