花  詩  集

No1 (2002.5.29〜2002.6.26) No2 (2002.6.27〜2002.7.28)

No3 (2002.8.1 〜2002.8.31) No4 (2002.9.1 〜2002.9.30)

 No5 (2002.10.1〜2002.10.31) No6 (2002.11.1〜2002.11.13)

No8(2002.12.1〜2002.12.25)

No9  No10  No11  No12  No13  No14  No15 No16 No17 No18

No19


花野過ぎ
時はゆるやかにいく

うつむき探す言葉のかけら

あの日見たのは
どんなかけら

あの日の言葉は、どんな色
あの時の瞳は、どんな色
あの日のときめきは、どの速さ

心模様は綴られて
風は雲の行方を追う

見果てぬ夢は
青春の扉の向こう

涙ひとつぶ
水色にこぼした日

花野過ぎ
時はゆるやかにいく

2004.5.20






夢を見た
若き日の夢

貴方の指をかじる夢
耳をそっとかじる夢

時は果てしなく流れて
モノクロ画像が蘇る

現われる私は、貴方は

若き日のふたり

想い出画像にリボンをつけて

また仕舞い込む

今度見るのはどんな夢...

2004.5.9






ひとつ、ひとつの水滴に
夜を映す

うつむく眼差しは
何事もなかったように
朝が来る

やがて時は過ぎ
今のこの瞳を
懐かしく思う

空の深みの青よ
海の深みの青よ

ひとときが過ぎる

この花の咲いている時よ
今宵また星は瞬く

喜びも、哀しみも
さまざまな出来事も


この花の数だけ

2004.5.5






時は流れる

淡きものふるなり
紫陽花いろのものふるなり

果てしなき空より
はらはらと雨のふるなり

季節は空渡り

鳥たちよ
木陰にひそみて、羽を休む

淡きものふる
紫陽花いろの
あの人の元へと雨運ぶ

果てしなき
空へと運びゆく

雨になれるものならば..


2004.5.2





夢見る頃よ

ほのかな時

ゆるやかな流れ

心の想い止まるようなひととき

あのときめきの日に戻ることは出来ないけれど

それでもゆるやかなひとときが包み込む

ほのかに人を好きだった、初恋の頃
激しく人を愛した、遥かな日

過ぎ行く日々がゆるやかになる

眺める花が微笑む

ほのかな時の流れ

ゆっくりと..

2004.4.25





あなたは、そこにいて
私は、ここにいる

逢えないけれど
心でそっと、逢うことはできますね
古い、古い日記帳に記した
言葉を見つけました

愛しい言の葉をいっぱいに
書き綴ったこと

あれは若き日
激しさと、切なさを知った頃

人はみんな
人を好きになり
人を愛し
暮らしてきた日々は
やがて、心の中で
ゆらゆらと揺れていく

いっぱいの気持ちが欲しいと想った頃
いっぱいの言葉が欲しいと想った頃
抱きしめられたい
いっぱいに、思った頃
古い日記帳は知っている

蓮華の花咲く頃でしたね

2004.4.24





雲ゆく果てに見えるもの

貴方のまぼろし

遠き日の思いはゆらゆら

菜の花咲けば
逝った友思う

雲の果て
海の彼方

遥かなる想い出ひとつ

思いはゆらゆら

雲は行く

今日もまた

果てしない旅をして

2004.4.18





優しき花はうつむく
美しき花はうなだれる

あの日、私はかすかにうつむいて
そっと、頷いてあなたを見た

遥かなる日よ
忘れなき日よ

心、ときめいた日よ

春の風は想い出運び来る
あの人を連れてくる

そよ風ひとつ、吹いた日よ

2004.4.9





あなたの瞳の中の言葉
欲しいのに

でも
見れなくて
見ることはできなくて

うつむくだけ
そっと、盗み見た
あなたの横顔

あなたの瞳に写して欲しいのに
見れなくて
見ることはできなくて

そっと
うつむくだけ
お願いよ
わたしを見てね
ここにいるのに...

小さな花のつぶやき、聞こえます
春のため息、聞こえます

2004.4.8