恋 歌
since 2002.11.9
No13
いっぱい
いっぱいの
さようなら
何もいえずに
うつむいて
つぶやいたこと
ささやいたこと
心のノ−トに記した言葉
好きだと言えない言葉
もう瑠璃海に捨てて
心、からっぽにする
ひとつだけ
ひとつだけ
思い出
ひとつだけ
2002.11.30
No12
風が流れる..
貴方の元へ
私の風
流れゆく
心が揺れて、揺れて
風に吹かれる
私の風
貴方の元へ
流れゆく
たどりつくことのない流れ
それでも
私の風
貴方の元へ
流れゆく
2002.11.17
No11
耳で聞こえない言葉
どこかで通じて
ささやく声がする
瞳と瞳
陰が映って
瞳は無言で語る
風が吹いても
雨が降っても
思うのは
あの人のこと...
聞こえない言葉が聞こえる
「あなたが好きです」
2002.10.26
No10
風が こんこん
木々は最後の葉を散らし
遠くのあの人の肩にも
はらはら
私の瞳は
映してはいないけれど
誰の心にもあった
ときめき
季節が過ぎるように
さらさらとこぼれゆく
ときめきの心
ためらいの心
つぶやいて
つぶやいて
過ぎてゆく秋
はるか、彼方の物語
若き日の恋歌
ささやいてみる...
2002.11.22
No9
風も木も空も
輝いて
たった、ひとつ
あの人が好き
生きていることの輝き
あの人のためだけに輝きたい
そんな若い自分を追いかける
セピアしたノ−トにいる自分
若い自分を紐とけば
見えてくる
若きの風
弾ける笑顔
コロコロと笑う
あの日の太陽まぶしくて
なにもかもが
自分に輝いていたと思った
そんなあの頃
懐かしき
懐かしき
2002.11.21
No8
あなたの優しさひとつ
明るさひとつ
ポケットにつめこんで
海へ来たの
誰もいない
ひとりだけ
でも心には
いっぱいいる
笑い顔
怒った顔
いっぱいの顔
私だけが知っている顔
ひとつの顔
2002.11.20
No7
あの人の色は何色?
そっと想った色
虹色に輝いた
あの日はもうないけれど
誰の心にもあった
心、ときめいた日々
ふと、若き日の
自分を思い出せば
若き日の風が吹く
虹色の風が吹く
大きな砂時計に埋もれた
懐かしき日々
2002.11.17
No6
どこまでも遠い空
自分じゃない
自分がいた頃
ひとつのことしか見えてなくて
そのことが
ひとつ、ひとつの想い出
人を好きになった頃
誰の心にもあった
若い頃
絹糸のような気持ちは
穏やかな風に流されてゆく
ひとつ、ひとつ
またひとつ
心の小箱にしまっていく
瑠璃色をした小箱を開けるのは
そっと、優しい自分だけ
優しくなれた時だけ..
2002.11.16
No5
そっと好き
いっぱい好き
でも言えなくて
言えなくて
風に揺れ
季節は流れて
遠い人
そんな
恋じゃない恋
遥かな海を眺めるような
深くて
遠い
そんな憧れの人
遠き日の詩
めくってみる
音を立てないように
消えてしまわないように
2002.11.14
No4
小さな本にはさまれた
恋物語のしおり
そっとはさんだのはいつ..
窓辺に月は満ちて
さえざえと
もう開くことのない
しおり
冷たい月に照らされて
温かだった
あの日を探している...
2002.11.13
No3
ひらひらと花びらの詩
そっとつぶやいた
花びらやさしくて
伝えることのない
つぶやき
遠くの人にも
季節は流れ
枯れ葉は舞う
交わす言葉もない
伝える言葉もない
時はさらさらとゆく
消すことのない追憶は
はるかな空へと、漂う
あの日の雲
あの日の光
あの日の花びらは
同じように
今年も同じように
優しさを込めて咲く
2002.11.11
No2
遠い、遠い日に
コスモス風に揺れて...
影がゆらゆら揺れるように...
やわらかなそよぎ
もう過ぎてしまった日のことだけど
心の中のあの日は
私だけの想い出
季節が過ぎて
いくつも、いくつも
カレンダ−を破っても
あの日のことは
心のまぼろし
心の中の主人公...
また、いつか
覗いてみる
そっと....
2002.11.10
No1
-あの人-
あの人は遠くで
あの人は知らないことで
花も、風も、空も、雲も
みんな、みんな知っていて
この想いは、伝えられなくて
季節は流れ、いつしか
通りすぎていく人...
今は、せめて花たちへ
あの人は、元気でいるでしょうか...
そう伝えてね...
2002.11.9