Short Story

第1集(2002.6.14〜2002.7.31)
第2集、第3集(2002.8.1〜2002.9.30)
第 4集  (2002.10.2〜2002.10.31)
第5集 (2002.11.1〜2002.11.30)
第6集 (2002.12.1〜2002.12.16)
第7集 (2003.3.1 〜 2003.3.13)
第8集 (2003.3.18 〜 2003.7.4)
 第9集 (2003.7.20 〜 2003.9.13)

第10集 第11集 第12集



第13集

No227

夢の花

津和野の山里に今日も
たくさんの罪人が引き立てられてやって来た

「バテレンだよと」
「ころばなかったらしいよ」

足は血まみれになり
ぞうりでさえ形はなかった

修造は、歯をくいしばって耐えていた

見渡せば山々は緑をなし
空は青い
両親を想っていた
遠い空の果てだった

「お千代、何を見ている 早くしろ いくぞ」

「はい」

一瞬、修造とお千代の瞳が重なりあった

たんぼでシロサギが大きく羽ばたいた

ふたりの運命は
ここから広がっていった

道端にヒメジョオンの花が揺れていた

2004.7.30



No226

終戦

終戦と共に
満州での生活は地獄の日々となった

日本人は学校のなどに1箇所に集まり
小さくなって暮らしていた

つい8月の初めまで
関東軍が蹴散らしてくれると
誰もが信じていた

置き去りにされた人々は
子供と老人から
栄養失調と病気で死んでいった

夜、寝静まった頃
女をさらいにやって来る

その時に
唯一の抵抗は
全員で鍋釜をたたき
音に驚いて相手が
逃げ帰るのを待つということだった。。。

2004.7.26



No225

終戦

「お〜い
日本が見えたぞぅ」

遥か波の彼方に島影が見えていた
誰もが涙し
ただ黙って
多くの兵は疲れきった瞳で祖国を見た

あの戦いは何だったのか
なんで人を殺したのか......

「博多港はいっぱいで入船で出来ず
舞鶴港までこのままだそうだ」

郷里までの道が遠くはなっていたが
命があったことさえ
不思議と思えたあの捕虜の生活を思えば
怒りも湧いてこなかった

*****

やがて
体中、蚤だらけにして
亡霊のように妻の前に立っていた
男の姿があった

2004.7.25



No224

行かねぇでけれ
いぐなぁ
もう
戦争なんて負けにきまってるべさ

ほっだらこというもんでね !
憲兵が来るぞ

おらを置いて死ににいくべか
んだば
おらを殺してから
行ったらいいべさ

おめえ様はおおばかもんだ

終戦も近いある日の出来事だった

********

また暑い夏がやってきた
沖縄戦はすでに終わってはいたが
何も知らされていない国民は
負け戦を知らないでいた

ヒロシマの空は雲ひとつなく
晴れていた
ケンちゃん
朝から三輪車へ乗ってるとね

うん!
やがて突然の光が頭上で輝いた
もうケンちゃんの姿はどこにもなかった・・・

2004.7.22



No223

終戦

満州での終戦
生活は一変した

「ふじ子
早く髪を切って、顔に炭を塗れ」

「はい..」

多くの日本人が集まって
1箇所で生活をしていた
老人や子供から
バタバタと倒れていく

またあの暑い夏がやってきた

義母は
いつも遠くを眺めながら
いつもの話しが始まっていた

「どんなに炭を塗ってもね
若い娘さんは見破られたのだよ。。。」

2004.7.19



No222

逃避行

満州へ行くって恐くなかったのですか?

あの頃はね
ちよっと隣の県へ行くような感覚しかなくてね

みんな日本語を話しているし
すべて事足りたのよ

まさかね
終戦の時に
頼みの綱の関東軍がいないなんて誰も
信じなかったよ

よく命があったもんだよね
みんな子供を預けていたよ
栄養失調で
死なせるよりはいいってね...

あの場所へは行ってみたいとは
もう
絶対に思わないよ

苦しい辛い逃避行しか
思い出せないからね

いつも同じ話しをしていたけれど
それでも
初めて聞く顔が出来たのは
舞にとって
ずっと後のことだった...

2004.7.16



No221




庭で黄色の花を眺めていると
里美は思い出していた

中学を卒業したばかり
集団就職で大阪へ旅立つ

小さな瞳は
不安でいっぱい
誰にも頼る人のいない都会
両親もまだ幼い子供を出さなければならない
無念のような顔が駅に溢れていた

里美
何かあったら手紙を書くんだよ
いいかい?

うん
わかった

言葉少なめに
泣きそうな里美だった

あれから
いくつ春が来たのだろう

老いた母の呼ぶ声がした

2004.6.2



No220

メ−ル

とおるっちぃ
忙しいんだね

とおるぅぅぅ X100
ふふふっ
どんなもんだい
や-い
いっぱい呼ばれてんのぅ

かな

*******
おおおおおお--い
大安売りだな
(爆)
いるぞぅ
レポ−ト提出が迫ってて
忙しかったんだぁ

さあて
かなかなを、からかうとするか!

(爆)

おおおおい
いるかい???

とおる

2004.5.29



No219

お便り

先生、お変わりありませんか
僕は中学3年になりました
学校は毎日行ってます
えっへん!
こんなことを書くと
こらぁっていう声が聞こえてきそうです
6年生1年間はお世話になりました

部活動も夏休みまでです
大きくなって何をやりたいか
まだわからないけれど
高校へ入ってから考えます

それではお元気で

高志

*******
懐かしい高志の名前を思い出して
職員室から見える桜の木を眺めていた
学校一の暴れん坊だった高志
花にだって
いろんな咲き方はある
あの子はあとで大きく開く子だな..

そう思いながら
窓を開けると
爽やかな5月の風が吹いていた

2004.5.26



No218

セリ摘み

舞ちゃん
セリを摘みに行くよ

セリ?
ふ-ん
行くよ

幼い舞にはセリはわからない
けれども母と一緒だということが嬉しい

春の息吹が見えて来た頃

きれいなせせらぎのそばだったと思う
天気は晴れ

なんとなくはしゃいだような
若き母がいて
舞の気持ちも弾んでいた

そんな春の日の出来事

あのひとときは
今も
心の隅に残っている

セリ摘めば春の息吹の小川のせせらぎ
青き空がふたりを包み込む

2004.5.22



No217
飯盒


Y。。。俺はもうダメだ
ここへ置いて行ってくれ

何をいうか
立て!
立つんだ!

いや もう歩けん
日本に帰りたかったよ

頼みがある
せめてこの飯盒を持って帰ってくれ

わかった..
貰って行く

満州から南下して
ベトナムのジャングル地帯だった
戦友は次々にマラリアで倒れていた

戦後、戦争については
絶対に話しをしなかった父だった

山本と刻み込まれた
その飯盒を
舞は大切にしまってあった場所を知っていた

2004.5.16



No216
メイル


おぉぉぉぉぉい
かなかなぁ
なかなかシックなメイルだね
(爆)

どしたぁ?

誕生日には何がいいのかな?

暑くなったね
そっちは晴れの日が続いているだろうね

夏休みまで
長いよ

また首を長くして
待っててくれ-

かなぶんぶん
メイル待ってるぞぉ

2004.5.12



No215
メイル


徹さま
お元気でいらっしゃいますか
お休みに帰って来てくれて
あっとい間に過ぎてしまいましたね。
また700キロの距離の彼方へ行ってしまいましたね

いつも心は一緒にいても
やっぱり
腕を絡ませるそばがいいですね
また夏休みまで会えませんね

いつも一緒にいたい
そんな我侭を言いたい私です

貴方へ逢いたいわたしの風
貴方を包み込む風
やわらかく
激しく
頬をなぜていく

私の吐息聞こえますか

いつもそばにいたい私です

こんな我侭な私です..

加奈

2004.5.7



No214
メイル


とおるっちぃ
お天気だよぅ
空が青いよぅ
どうしていないのよぅ
(/_;)シクシク

やあい
嘘泣きかなっぺぇ
。・°°・(>_<)・°°・。
(爆)

あの空へ飛んでいけたらいいのにね
羽が疲れるかなぁ
ふふふっ

やあい
徹、いないから
落書きしてかえろ-っと

(ノ;;)ノ ダダッコォッ
(・・、)ヾ(^^ )ナクンジャナイヨ

加奈

2004.5.1



No213
メイル


おおおおい
かなぶんぶん
留守かい?
ちぇ! お出かけだな
いるとぶんぶんと、うるさいが
いないとつまんないや

*********
ただ今ぁ
とおるぅぅぅ
帰ったよぅ
ケ−キバイキング食べてきたぁ
ぷくぷくだぁ
(*^。^*)ポッ!!

当分ケ−キはいらないよぅ

連休になるね
いつ帰って来れる?
学校いつまで休みなのかなぁ

2004.4.28