な ご み の 童  話



あの日のこと

No3



No6

いえにかえりついても
だれもいなくてね

とうとうひとりになったよ

しんせきのおばさんがね
さがしにきてくれて

いっしょにいなかへいったよ

せんそうは
みんな、みんなしんでいくんだよ

おとこの人だけがするものではないんだよ

おおきな、ばくだんひとつで

みんな、しんでいくよ

どうして
せんそうは、なくならないの
いつも、おばあちゃんは

そうおもうよ。。。



2005.3.31



No5

大きな、ばくだんがおちたあとにはね

まっくらになったんだよ
なんにもみえない

夜みたいになってね

こわくて、こわくてないたよ

どうしてもいえにかえりたくて
わからなくてもあるいたよ

あかるくなるとね
あるいている人がみえたよ

みんな、はだかのようになって
かみはチリチリになっていたよ

みんなおなじほうこうに、あるいていたよ


2005.3.22



No4

みんな、みんなね

歩けるひとはね

手を前に出してね
ゆうれいみたいに歩いていたんだよ

ずっと、あとになって
どうして、手を前に出していたのか
わかったんだよ

やけどがひどくてね
ひふがね
たれさがってね
手を前にしていないと
くっついてしまうからなんだよ

川にはね
いっぱいの人がいてね

みんなういていたんだよ

やけどであついから
とびこんだの。

おばあちゃんは、小学校の3年生だったけれど

あの日のことは

ぜったいにわすれられないよ

2005.3.19



No3

あの時ね

おばあちゃんはね

ちかしつの、げたばこにうわぐつをおいてきたこと

おもいだしてね

ひとりでね

ちかしつへおりたんだよ

そのときに
いっしゅん
空におおきな、くもがでたらしいの

そして

おばあちゃんが
もどったときには

もう、だあれもいなかったんだよ

みんなたおれて
いきている人はだれもいなった

なきながら
はしって
はしって

ころんで
こわかったよ。。

2005.3.17


No2

あの日ね

朝、みんなでね

おはよう
あついね

そう、おはなししたんだよ

みんなげんきでね
にこにこしててね

先生もいてね
にこにこ、おへんじしてくれたよ

空には、なつの雲があったよ

みんなね
学校にきたばかりだったから
こうていにいたんだよ

とおくで、ひこうきのおとがしたよ

2005.3.14



No1



おばあちゃんの近所にはね
お友達がいっぱいいたんだよ

花子ちゃん
和子ちゃん
雪子ちゃん

もっと、もっといっぱいいたんだよ
学校に行くとね
みんなとあそんだんだよ

あの日が来るまでは
みんないたんだよ

おばあちゃん、ひとりだけになったんだよ

みんな、いっしゅんのうちにいなくなったんだよ

黒い雨がふったんだよ

多くの人が川にとびこんだんだよ

あつい あついといいながらね





2005.3.14