短 歌  俳句 一行詩 


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2004.3 2004.6 2004.9




澄み渡る青き空より使者のごと
  黄色き花は微笑み添えて

夏帽子押えているよ海風に
向日葵咲けば心も揺れて

燃ゆる花紅きカンナの花咲けば
海は青増し雲は流れる

柔らかき心の色の薔薇一輪
    真夏の太陽喜び込めて


2005.7.29




暑き夏 巡り来る日 終戦に 安らかにと願う平和を誓う

幾度季節流れても 遺影は微笑むそのままに 若き日の叔父 海軍少尉

残されし ツバメの巣の下新聞紙 排泄物さえ愛しく思ふ 命いとおし

2005.7.26



ゆめに散る花ことごとく緋色なる
 きらめく星の短夜のとき

緋色なるなまめきくちびる目を閉じて
 君の移り香風のまにまに

咲き満ちてこぼるる花よ紅き色
 今宵月夜に散る音のする

2005.7.16




くれなゐの薔薇のくちびる乙女等に
 永久に捧げん平和の祈りを

青葉風濠に吹きゆきそよそよと
 散りし若人惜しみて止まむ

(沖縄慰霊の日によせて)


ほろほろと野焼きの煙流れゆく
夕星彼方言の葉紡ぐ


2005.6.27



君がゆめ雨降りかほる白き花
 心とけゆく夏を誘ひて

青葉風黄色のよろこびせせらぎに
 集めて流すさやけき風よ

蛍飛ぶ川のせせらぎ遠き日は
 浴衣の我よ紫陽花模様

野の中に姿やさしき木々ありて
白きドクダミ葉に抱かれる

哀しみの遠景見れば鍔(つば)下げて
わが夏帽子薄紅色よ

2005.6.7




小花揺れ巡り来る春何おもふ
 あたたかき風みずぬるむ頃


巡り来る春に儚く咲き誇る
 小花揺らしてまるき風吹く

麦秋の日差しは高くツバメ飛ぶ

ポケットのおもひこぼして春はゆく

朝焼けに父を祈りて夜が明ける

もも色の雨降る路よさくら散る

母の日の仏間に一輪カ−ネ−ション

くれなゐの薔薇のかさねよ若葉風
 歌を詠みたきくちびるよせつつ

2005.4.20




かぎりなきおもひのままに閉じ込めて
なないろしずく春の雨降る

こひしずくおちる日差しの紅桜

ぬばたまの我が黒髪に
花びら落つる風をさそひて

2005.3.30




朝しずく花びらひかる音もなく
 立ちぬれ見れば春雨やさし

想ひ人抱きてひらく寒椿
 寄りそうこころ恋ふる紅色

葱坊主背伸びしつつ空蒼し

土筆あり荒地にひとつ日向ぼこ

2005.3.19




春隣きらめき水仙陽のひかり
  風透き通る別れの朝

夕落ち葉桜の頃を迎ゑけり

磯の香を詰めて若布売られたり

春霞駅また駅の梅の花

2005.3.12

  



春ひかり花の吐息に霜とけて
 温かき風頬に待つ時

イヌフグリ小さき水色可憐なる
瀬戸風受けてささやきひとつ

雨の日も風の日もある風受けて今日も咲きたい自分だけの花

春見えてこずゑの先にメジロ来る

風寒し汽笛がひとつ椿落つ

2005.3.3




満州の凍てつく荒野帰り来し
義母の墓石に小雪降り積む


思い出は思い出のまま仕舞い込む
白きレ−スよゆらゆら揺れて


パソコンの前で指七つ
折りつつ過ごす午後のひだまり


黄(き)の花の咲くを待つ時こころ花

かそけき鳥声春浅きかな


2005.2.3



蒼き花春の気配に目を覚ます
   藍の海見る花びら優し


月光に星寒々と冴えながら
庭の花びら蒼く浮かびて


花言葉ちいさくつぶやいてみる夕闇に梅の香かすか

2005.1.31



空青き冬日のさしこみ遺影まで

春の雨やさしき雨よ空にあり

春待ちの裸の木々も寂しかり

山茶花や笑顔いっぱい垣根ある

2005.1.25




薄紅の山茶花に聞くこころあり

寒椿哀しきまでに緋色なる

侘助の落つる時あり夕しぐれ

父の国通りし届く風花よ

2005.1.24




時雨るや 花陰ひとつ 秋深し

びいどろの 花器からコスモス 揺れている

コスモスを 離れし蝶に 秋深し

2004.12.8




どんぐりのこぼれし山に秋の色

冬ひかりめだかのお腹透き通る

夕紅葉ひとり地蔵に柿添えて

花擦(ず)れに秋は更けゆく鐘の音


2004.12.4



見上げれば秋の木立に風の道
  紅き葉に見ゆ過ぎ去りし日々

睡蓮の花ひらきたり音がする
心のどこかでひそやかに聞く

風おちて夕空紅く雲たなびけば
髪なぜてみるただ何気なく

2004.11.10




こころあるセピアの日々よ風に揺れ
  君がくちづけやはらかきとき

 激しさの君がくちづけ追憶の
   秋近づきてながき風音

 目を閉じてあなたのくちづけ思い出す
 小さきまぼろしまた秋が来る


2004.10.27



花かほりうつろひ揺れて夕しぐれ
人のおもひの重さはかりて

遥かなる人を偲べは夕川原
おもひ残して水は流れり

いとせめてときの流れよ止めたし
心にもの書くはかなさはあり

秋の風ふいに髪吹く驚きて

見渡すこころあわれなるかも


2004.10.25