短 歌  俳句 

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美しき瀬戸の夕凪暮れてゆく
おそき春なり日ざし延び来て

あたたかき風にかたむく花びらよ
猫の背はのび春ひとつ落つ

風わたる日の薄ひかり春深む

2003.3.28




一瞬をまたたくひかり哀しみの
おののく瞳爆撃やまぬ

人ひとり想ふ雨なり春とけて
風の明るさあの頃の詩

若春の言葉探しよ風に遭う

みどり児の瞳の色よ雀来て
風透き通る窓辺に遊ぶ

2003.3.24



思草(おもひぐさ)咲きし時逝く友ひとり
野辺に咲く花添えたき女(ひと)よ

朝寝髪梳けば始まる今日の日の
瀬戸ひかり見ゆ春のあかつき

ツバメの巣残して下さい帰り来る
リフォ−ム終えし白き壁で待つ

うつむきてひとつの愛を告げた頃
瞳の奥の言葉よ言葉

2003.3.20



歌紡ぐ日々は返らず想ひ出は
一日(ひとひ)なりとて風落ちてゆく

蒼き空青漲れる麦の苗
風すきとほる春しずかなる

楽しかったね 春の気配の風がある
遥かな夢の陽を浴びし頃

あまき風花はうつろふ春香る
寄りそうこころ恋ふるころかな

2003.3.19



最後とて父のもみしお茶飲めば
心なしかに残しおり我

海の目の出会いなるかな捨てられし子
里親求め心ふるえつ

イヌフグリ見つけし丘よ散歩道
小川温みつ蒼き空ゆく

待つ心陽ざしの如くときめきて
花びら遊ぶうすき春なり

2003.3.17



遠き日の君にあげたし春萌ゆる
梅のかほりや髪のさやさや

夜(よ)の雨の静けさ沈むシクラメン

ましろき花の儚い夢なり散りゆけば
うつむきて咲く春雨の中

2003.3.15




逢わぬ日々遠き山見ゆ白き梅
夢の彼方よ若き日こぼるる

物思ふ訳のわからぬひとりごと
もたるる窓辺夕茜燃ゆ

白木蓮咲けば飛んで君のそば
日記に記すセピアの文字よ

2003.3.12




風ひかる花びら薄く咲き誇る
梢重たし梅の花なり

春の来る風の強きや揺れている
しがみつく花桃の蕾かな

花々に眼のある如し闇の中
冬の星座よ星増やしゐて

2003.3.10



寒戻りひとひらの雪梅に落つ

菜の花の和え物作りたし待つこころ

明日想ふ言葉探しの星月夜

思ひ出となりたるゆゑに梅の散る

2003.3.9




ひそまりて暮るる夕日照らされて
こころ湧く意味問いかけている

白き花幾夜を咲くやはかなさよ
恋するごとく輝いており

いとしさに図られている文を書く
綴れば見える若きまぼろし

2003.3.7




梅の花泣き濡れうなだれ春の雨

早春のひかりを見たよ瀬戸明かり

髪梳けば心の重さ計りおり

約束の笑みを忘れず冬知らず

寒牡丹輸血をしたと聞いた朝

2003.3.3




「君の詩」暮れに求めしCDは
70年代フォ−クは響きて

ぜんざいの味見のお皿受け継いで
祖母を思いて白き肌の人

朝食の海苔を食べれば思い出す
磯海苔取りて母と帰る春

雨の降る春の心の静かなる
潤む花びら傘さし眺む

凪の海春待ち時よ流されてゆく
辿り着く浜遠山霞なり


2003.3.1