短 歌  俳句 一行詩   

since 2002.5.11

 2002.5.11〜2002.9.30 (2002.10.1〜2002.10.31) (2002.11.1〜200211.30)
 
(2002.12.1〜2002.12.31) (2003.1.1〜 2003.1.31)   (2003.2.1〜 2003.2.28)
 
2003.3 2003.4 2003.5 2003.6 2003.7 2003.8



澄み渡る 蒼き空よりの使者 秋という名の小包 風ひとつ

思ひ通りに染まりたい 藍の空 青の風白き雲心はるか

花の降る 庭にひとり秋冷えて月まどか 眺めて花のほんのりと

秋雨の 露草ひとつ濡れている うつくしき山の彼方の果てしなき

2003.9.26




夕闇に心降る雨しずく雨花も目を閉じこぼるる涙

日差しありオハギ丸めて
萩散ればかすかにかほる菊は黄色なる

丸く咲く花ある蕾明日開く待つ心ある瀬戸風の中

2003.9.25




野にかえり秋桜揺れて眺むれば幾度探せどわが父はなし

紅葉は限りなく散る野辺の里母の如くに梢細くて


散れるだけ散りつつゆれて萩の花

亡き父の車残されバッテリ-はずすまた来る日まで

2003.9.24




彼岸花落花を増やす星月夜濃(こ)すみれ色の夜空の果てに

海渡る風に色あり秋時雨

風のこし花散る里の秋はじまりて

日に透けて蜘蛛糸きらり秋ふかく

2003.9.22




晩秋のひかり中に蝶の飛ぶ命見つめる小花咲く丘

天界の夏星座より降り注ぐひとつのひかり光年越えて

長き髪十指刺しこみ引き寄せられし映画のワンシ−ン

カラコロと水車の里の水清き帽子忘るる頬ゆく風に

2003.9.19




すねているタデの花見るうなだれて

菊晴れて敬う日ありさりげなく

散りつつも萩よ萩かな薄桃の

香を焚く母のいるような日差しあり

2003.9.15



秋の蝶光浴びつつ毬をつくコスモス揺れて鰯雲ゆく

雨近き花萩咲けばかほりあり

零れ咲く小花の色よ褪せぬままさやかな風よ萩の咲く路 

朝冷に香を焚きたし野菊咲く

花を切る零れる哀しみ秋渡る

2003.9.14



稲妻や秋呼ぶひかり草の原

一日のこころ模様芙蓉咲く

潮満ちて夕焼け運ぶ赤とんぼ

吹き渡る髪に秋かぜ山幾重

2003.9.8



れおの面影ひとつ夕闇落ちて水色涙ひとつぶ秋色の風

さりげなく野に咲く花よ踏まれいてなおも花びら陽に向いて

真夏日よ強き花うなだれ咲くも色褪せず秋色の空を待つ

父逝きて涙の訳拾う本当は心に涙いっぱいあったんだって

2003.9.6



花びらの小さきふくらみ明日開く愛うつくしく咲き揃うとき

向日葵の背丈すぎゆく風おちて

夏おわるかほりかすかや花芙蓉

夕暮れて重陽の日よ菊の酒父に添えたき林檎実りて

2003.9.4



夕風や島よりの便り乗せくる船よ汽笛鳴らせば夕陽は紅く

我髪に風触れ光る浜辺にて

ねこじゃらしゆらゆら揺れて風のまま時は過ぎゆくはらはらと

残り夏もてあましつつ物干しへ洗いざらしの光はきざす

2003.9.3



野に咲く花よ一粒の露を抱きて時は秋

白き色染まりたきかな想い色秋の色空の色

水深くひのさし透る野辺の道露を抱きて白き花咲く

髪梳けばしじまの中に夏の終わりの花の咲く暁照らす淡き花

2003.9.1