短 歌 俳句 一行詩
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数へ日の瀬戸の日当たり海を見て
霜降りて枯れ野広がる寒椿
柚子湯出て満天の星頬に風
しずかなる木々を仰げば冬至かな
2003.12.30
花野過ぎ忘れ物なしどこまでも
冬至過ぎ愛犬呼ぶ声息白し
白息も青む空より陽の昇る
海潮の香りありしや冬鴎
冬鴎仲間へひとつあまえ声
数え日の畳の温さ遺影ある
電車行く最後尾みる年惜しむ
2003.12.25
風の香や水澄む池に小鷺たつ
冬紅葉踏みしめ歩く瀬戸の宵
客去りて冬の星座の多かりき
2003.12.22
静かなるわれの想い透けてゆく
線香揺れて煌き増す星
夕闇に落ち来るもみじ音もなく
冬の日の空の真青さ不思議なる
陽のにおいよ風のざわめき
2003.12.19
ぬばたまの我が黒髪よ引き濡れて
ふいに雨降る散歩道行く
星見んと庭にしあらばうちなびく
我が黒髪に冷たき風の吹く
朝寝髪我は梳らじさらさらと
長き月日の思ひを込めて
月明かり密かに蒼く照る庭よ寒さに震える花びらひとつ
命の切なさ奪われて慟哭の母戦争という名の元に
小鳥鳴く命のさえずり心へ響く生きている証しなり
頬ずえをすれば寡黙なる瞳の奥の過ぎし日の夢
言葉さえ綴り織りたき心ありひとつの思い遥かなる日のこと
夢はるか儚く消えたことあり海の底雲の上探してみる
夜空に星の瞬けば今宵見る月同じ月平和の星よ永久に輝け
野の花の一輪今宵散るならば惜しみなき花びら思う優しき色よ
日々過ぎて心ゆるびぬ不覚なる不意につき上げてなみだこぼれぬ
花の如くに散りゆきて人の世の定めなりとて別れは悲し
はらはらと椿の花散る里の秋雲は流れて彼方の空へ
2003.12.10
椿散る紅き命の落ちる時
山みな揺れて秋は深けれ
冬の日の光広くて畳射す
遺影の微笑み菊香るなり
唇に頬に紅さす最後の日
長き生き様凛として逝く
夕闇を落ち来るもみじはらはらと
溢るる涙とめどなく
痛きまで月光充てり逝きし夜
2003.12.5